主な症状

認知症とは、脳の病気や障害などにより、理解・判断・論理を組み立てるといった認知機能が低下し、日常生活を送る上で支障が出てくる状態です。
典型的な例でいうと、食べたメニューの一部を忘れてしまうというのは通常の老化でもみられますが、認知症では食事をしたこと自体の記憶が定かでなくなってしまいます。
2025年には65才以上の5人に1人が認知症にかかると言われており(世界では3秒に1人が新たに認知症になっていると言われています)、大変身近な病気です。(その他、65才未満で発症する若年性認知症もあります)
認知症の主な症状は記憶障害ですが、その他にもさまざまな症状を伴うことがあります。
認知症は、代表的なものとして次のタイプがあります。

アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、認知症全体の半分以上(60~70%)を占めるといわれる中心的な病態です。もの忘れなどから始まり、ゆっくりと症状が進んでいくことが多いです。脳細胞が様々な変化により減少し、脳がちぢむことで起こされる認知症です。
血管性認知症
血管性認知症は認知症全体の20%くらいを占めます。脳梗塞や脳出血など脳の血管が詰まったり破れたりすることに引き続いて起こります。特に自覚症状のない、とても小さな脳梗塞や出血などが積み重なって起こることもあります。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は認知症全体の4%くらいと言われております。特徴的な症状として、人や動物などのありありとした幻視(実際には存在しないものが見えてしまう)、眠っている間に夢の体験と同じ行動を取ってしまう、等の症状が特徴的です。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は認知症全体の1%くらいでおきます。

これらは単独で起こることも、重なって起こること(例:アルツハイマー型認知症と血管性認知症の合併)もあります。その他のことが原因で起こる認知症も7%前後あり、アルコール性(お酒)の認知症などもあります。

治療

早めに気づき、早めに治療につなげることで、アルツハイマー型認知症などの認知症は進行を遅くしたり、場合によっては症状の一部を改善したりすることができます。血管性認知症では、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病との関連が深く、食事療法やお薬でそれらを改善することが大切になってきます。