主な症状
- 気分の落ち込み、やる気が起きないといった抑うつ症状や不安がある。
- うつ症状や不安から(人によっては意識していなくても潜在的な心理状態から)、ドキドキ・あせり・緊張・イライラ・吐き気・腹痛などの症状がでる。
- 仕事や作業、勉強に集中できなくなった。
会社、学校、特定の場所などストレスの原因となっている場所・環境に行く前やその前日に症状が強く出ることがあります。
※出てくる症状は人それぞれで、ここではその一部を記載しています。
環境の変化(会社や学校、家庭など)にこころや体が慣れることができず、ストレスにより心や体になんらかの症状が出て、生活に支障をきたす病気です。
環境が変化したときには誰にでも起こりえる身近なもので、この病気にかかる人は5~20%とも言われて、一般的にも多くみられる病気です。
環境の変化は小さいものだったとしても、その人の性質にうまく折り合わなければ強いストレスとなり、症状がでてきます。また、周りの人から見ると良い出来事(昇進や進学など)や本人が望んでいたこと(結婚や出産など)でも、環境の変化に本人の心がついていけない場合は適応障害を発症することもあります。
ストレスに弱い方だけでなく、ストレスに強い方でも人間環境や環境が合わなければ、適応障害になることはよくあります。また環境の変化だけでなく、その時の体調であったり、年齢、季節などにより無意識のうちに不安定になっていると発症しやすくなります。
適応障害は誰しも起こりえる病気です。がまんをしたり、無理をしてストレスが長く続くとうつ病などに発展していくこともあり、自身で「なんか最近、調子が違うな」と感じたり、家族などから心配されているようであれば、早めに相談にいらしてください。
治療
- 適応障害は、原因となるストレスが比較的明確なことが多く、その場合はストレスから距離を置き、休養することができれば症状は快方に向かいます。しかし、離れることが難しく悩んでいる方が多くいることも事実です。一人で悩んで抱えこまず、周りに相談したり、医療機関に早めに相談しましょう。(必要であれば当院で休職の診断書も作成いたします。)
- ストレスで心身の状態が追い詰められているときは、お薬を使って症状をやわらげることは治療上、有効な手段の1つです。お薬はそれ自体が根本的な治療になるわけではありませんが、症状をやわらげることで心にゆとりをもたらし、冷静にストレスとの向き合い方を考えることができるようになります。
お薬に対して不安に思われる方もいらっしゃいますが、適切に使用すればご本人にとってメリットは大きいです。
不安が強い方には抗不安薬を、睡眠障害がある方には睡眠薬などを使うことがあります。その他にも、患者さんのお話をよく伺いながら、その症状に合わせた処方を相談していきます。